大川、小名木川、仙台堀川など、
『鬼平犯科帳』に登場する川を、小型ボートで回ってきました。 自転車や徒歩では何度も訪問した場所ですが、 舟からの景色は、また違うはずです。 実はこれらの川を回るツアーを計画中で、 今回はそのリサーチも兼ねています。 出発は、勝どきマリーナ。 ボートを操縦してくれるYさんと会い、打ち合わせします。 乗るのは、物語にもよく出てくる「苫舟」ではなく(笑)、 このおしゃれなボートです。 桟橋から乗り込みます。 船内はこんな感じ。 船体の半分くらいは屋根が付いているので、 多少の雨なら問題ありません。 勝どきマリーナを出て大川を遡上、豊海橋から日本橋川に入ります。 日本橋川は、上に高速道路がかぶっている区間がほとんどです。 鬼平とは関係ありませんが、川から見上げる高速道路の姿に萌える人も少なくないそうですね。 「暗剣白梅香」の記事でも書きましたが、 鎌倉橋の橋詰には鎌倉河岸があり、いろいろな商品が荷揚げされていたようです。 ガイドの方の話によると、現在の橋の下に見えるこの石垣が船着場の跡だとか。 江戸城の石垣には、よく見ると、 これを積んだ人や藩の名前が書かれているそうです。 日本橋に近づきます。 詳しく見たわけではありませんが、 「鬼平」当時の江戸の中心地である日本橋周辺は、 あまり出てこない気がします。 水道橋と飯田橋の間にある、日本橋川と神田川のジャンクション。 この近くに、通称「ゴミ船」と呼ばれている船にごみを積み込む集積場があります。 お茶の水の聖橋。 完成は昭和なので、江戸時代にはなかった橋ですが、 フォトジェニックではあります。 昌平橋。 長谷川平蔵の役宅は江戸城の清水御門前、 現在の千代田区役所の近くにあったという設定です。 そこから舟を使う場合は、この昌平橋から乗っています。 役宅からは徒歩だったりかごだったりしますが、 どちらにしろ、現在の感覚だとかなり距離があります。 でも『鬼平犯科帳』では、 密偵が役宅から徒歩で品川を何度も往復したりしていますから、 江戸時代の人はかなり歩いていたのですね。 浅草橋にかかる柳橋を通過すれば、また大川に戻ります。 今度は、川の反対側、 堅川に入ります。 『鬼平犯科帳』に頻出の堅川ですが、 現在は、上に高速道路が架かっていることと、 大横川とのジャンクションより東側は埋められているので、 川としての人気はいまいち。 二之橋を通過します。 『鬼平犯科帳』では「二つ目橋」として登場するこの橋、 何の変哲もありませんが、 軍鶏鍋や・五鉄が橋詰にあったという設定ですので、 鬼平ファンなら必ず訪れたいポイント。 陸から行くことは簡単ですが、 川から見られるのは、かなりレアな体験です。 橋近くの船着場。 こんな所から、平蔵や密偵が舟に乗ってきそうです。 堅川を東進すれば大横川とのジャンクションに出るのですが、 工事中のため、いったんまた大川に出て、 小名木川に入ります。 小名木川に入るとまず現れるのが萬年橋。 鬼平では「万年橋」という表記になっていますが、 これもよく出てくるスポットです。 大横川とのジャンクションで右折すると、すぐに扇橋。 この近くにあったとされているのが、 密偵のひとり、粂八が主人を務めている船宿・鶴や。 宿があったのは、このあたりという設定です。 大横川を南下したら、次は仙台堀川です。 仙台堀川を東へ、つまり大川方面に向かいます。 江戸時代は大川とつながっていて、 そのジャンクションには「上の橋」が架かっていたのですが、 現在こおは排水場になっていて、舟は通過することができません。 Uターンして、平久川とのジャンクションを右折。 平久川という名前は、『鬼平犯科帳』では見た記憶がありません。 古地図にはあるので、仙台堀川などと同じような堀割、 つまり運河だと思われます。 平久川を南下すると大横川との十字路に出ます。 大横川を東に行くと、そのまま錦糸町の近くまで行けるはずなのですが、 このポイントから東の区間は航行できないそうです。 大横川を西へ。 大川へ出る直前、大島川とのジャンクションが見えます。 大島川は、仙台堀川と大横川を南北にリンクしているのですが、 係留船が多く、実質的に航行できないそうです。 ここまでのダイジェストを動画にしました。 冒頭にも書いたように、 「舟で巡る鬼平の舞台」というツアーをまもなく催行します。 ご興味にある方はお問い合わせください。
by senju_izakaya
| 2020-09-10 13:53
| 水路から見る『鬼平』
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